2026年8月号
賃貸経営と管理会社
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暑中お見舞い申し上げます。
最高気温40℃以上の日を「酷暑日」と
正式に定義するようになった今年。
さっそく各地で「酷暑日」が観測され、
記録的な猛暑が日常に加わりました。
お体を第一にお過ごしください。
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「ウーーー、カン、カン、カン」
7月某日、昼下がりのことです。消防車がサイレンと共に鐘を3回鳴らしながら弊社の前を通過していきました。火事です。
消防車がサイレンと鐘の両方を鳴らしているときは火災での出場、サイレンのみのときは救助・救急支援・警戒など火災以外での出場です。そのため、サイレン+警鐘が聞こえたときは必ず相模原市消防局の火災情報テレホンサービス(042-757-0119)に電話をしています。おおまかですが、自動音声アナウンスで火災現場の位置情報を教えてくれるからです。
この日も電話をかけて火災現場の位置情報を確認すると、弊社管理物件が多いエリアと判明。高まる緊張と共に、直ちに現場へ向かいます。消防車が弊社前を通過してから5分後に現場に到着。管理物件が現場ではないこと、放水は行われていないこと、隣家に管理物件は所在しないことに胸を撫で下ろしつつも、現場が賃貸集合住宅だったので他人事には思えません。
するとそこへ1台の消防車が到着。その中に高校時代からの親友である消防隊員がいました。現場での遭遇は4年ぶり2度目です。彼は今回も私が先着していることに驚いていましたが、私は緊急時に知った顔があることによる格別な安堵とその重要性を改めて痛感していました。
その日は水曜日。一般的な不動産会社の定休日です。一方、24時間365日、営まれ続けている入居者の日常生活。定休日なく年中無休で営業する弊社の意義も改めて確認できました。
会社に戻ると時刻は13:10。消防車が弊社前を通過してからわずか15分間の出来事ですが、私たち東郊住宅社が日々積み重ね、育んでいる管理会社としての在り様です。
さて、先日の日経MJ(日本経済新聞社が発行する、消費・流通・マーケティング情報に特化した新聞)に興味深い記事がありました。見出しは「プライベートブランド安さの生命線」。2025年度の小売業調査結果をまとめたものでした。
メーカーが開発・生産を行って全国のスーパーやコンビニなどの小売業者に流通させる商品(ナショナルブランド)とは異なり、プライベートブランドは小売業者自ら企画から販売まで行うことにより割安での提供が可能なため、物価高による消費者の節約志向対策として、低価格なプライベートブランドを充実させて集客力の底上を図っているという内容でした。
物価上昇が続く今、食品の値上げは特に切実です。ラムー、トライアル、ロピア、オーケー、ドン・キホーテ、業務スーパーなどといったディスカウントスーパーが隆盛なのも納得です。厚生労働省が公表した国民生活調査によると、全世帯では55.4%から、子どもがいる世帯では61.5%から、母子世帯では82.1%から「生活が苦しい」との回答を得たそうです。
私事ですが、昔から立ち食いそばが大好物です。見かける度、匂いが漂ってくる度に食べたくなってしまうほど大好きです。ただ、お手軽価格の代名詞的存在の立ち食いそばですが、昨今の原材料費高騰の影響から、かけそばでも400~500円、そこに天ぷらを加えたり大盛りにしたりすると700~800円となるため、ひと昔前のお手軽さは影を潜めてしまいました。
そんな折、立ち食いそばチェーン「箱根そば」を展開する小田急レストランシステムが「ライトシリーズ」という、量を控えめにして一杯の価格を500円以下に抑えたメニューを開発。販売を開始したところ瞬く間にヒット商品となり、ついには、このライトシリーズのみ提供する専門店舗を町田駅にオープンさせるほどの看板商品となりました。
この「量を減らして価格を抑える」という手法を採用した事例が、同時期の賃貸不動産業界でも話題になりました。都市部を中心に人気を博しているという「狭小アパート」です。
1部屋の床面積が一般的なワンルームより小さな10㎡程度で、トイレや収納を除いた居住スペースは約3畳、バスタブはなくシャワーのみ、それにロフトが付いたタイプの物件もある……といった具合です。狭い分、安い。現代のライフスタイルと厳しい経済環境が合致し、多くの若者から求められているというのです。
しかし、賃料の安さで勝負できない、既存の賃貸物件を所有している場合は、このような経済環境下でどこに活路を見出したら良いのでしょう。
建物や設備といったハード面の更新はもちろん考えられますが、やはりそれには限界があります。そこで鍵となるのが入居者サービスです。つまり、ソフト面から賃貸物件の訴求効果を高められるか否かが重要になります。もちろん、それを請け負うべきは管理会社です。
先日のことです。以前に弊社管理物件にお住まいだった方がお部屋探しでご来店されました。「やっぱり東郊さんの管理が良いので、出戻らせてもらっていいですか? 当たり前のように安心して暮らしたいので」とのこと。管理会社としての職責を問う、とても重い言葉です。
また、別の日のことです。賃貸物件を所有する方が管理委託の相談でお電話くださいました。「弊社のことをどちらでお知りになりましたか?」と尋ねたところ、「AIに相模原で信頼できる不動産屋さんを聞いたら、東郊住宅社さんが評判いいと教えてくれまして」とのこと。これからの管理会社としての在り様を占う、とても重い出来事です。
昨年あたりから「更新時の家賃値上げ」を理由に弊社管理物件へ住み替える方がグッと増えています。ところが不思議なことに、前家賃から大幅に抑えた物件へ入居された方は一部で、ほとんどの方が同額帯の物件へ入居されています。つまり、退去の理由は金額そのものではなく、「更新時の家賃値上げ」が「そこでの暮らし」と不釣り合いだと判断したのでしょう。
経済環境がシビアになると、ごまかしは利きません。本質を問われ、対価を求められます。しかし、きちんと対価が見出されて満足が得られれば、相対評価から絶対評価へと変わり、価格競争から脱却できます。
いよいよ賃貸経営における管理会社の本質が問われる時代に突入です。貸主・借主双方のお役に立ち、喜んでいただける管理会社であり続けられるよう、スタッフ一丸となって引き続き取り組んでまいります。
変わらぬお力添えのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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