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The Newsletter for Owners
2021年6月号
「事業者として自信の持てる仕事を」と「アパート外階段崩落事故報道を受けて」
日に日に緑が濃くなり豊かになってきます。
はやくも夏日になることもあります。
お元気にお過ごしでしょうか。
事業者として自信の持てる仕事を
池田 信
コロナはまだまだ収まりませんが、ワクチン接種が始まっていますので、あと1年の辛抱でしょうか。その間にどれだけの変化が起こるのかと考えるとこわいくらいです。
建て売りアパートを販売してきた則武地所が破産しました。4月17日に八王子の3階建てアパートの階段が崩落し、入居者の女性が死亡してからわずか一ヶ月です。原因究明も、補修工事も、賠償もせずに破産です。被害者もオーナーの方々も驚き、呆れていることでしょう。相模原を中心に166棟あるとのことです。(その後241棟と判明)
当社でも2棟管理させて頂いています。当社のオーナー様は冷静に受け止めていまして、補修や補強工事も覚悟しています。建物点検は行っていますが、現在のところ問題はありません。
当社ではこれまで何棟か則武物件を買ったオーナーの方々から管理のための家賃査定を依頼されましたが、いずれも条件が合わず、管理を受けませんでした。貧弱だったり、自転車置き場がなかったり、部屋に収納がなかったり、充分な家賃をとる条件が揃っていなかったからです。オーナーの方は売り主の則武地所の設定家賃を見込んで買っていますので、当社の査定には満足していただけませんでした。
賃貸住宅経営を成功させるためには、賃貸居住者が快適に安全に生活できることが第一条件です。そのためには、居住性のしっかりした建物でなくてはなりません。よい管理を提供するためにもよい建物が必要です。今回の事件で管理業者も責任を問われるかもしれません。法的にはともかく事業者として自信の持てる仕事を!
入居者の笑顔を見たいと思っています。
これからもよろしくお願い致します。
アパート外階段崩落事故報道を受けて
池田 峰
4月に八王子市で発生したアパート外階段崩落事故。施工業者は相模原の則武地所でした。同社は東京と神奈川を中心に、木造2階建て以上で外階段がついているアパートを241棟施工し、その多くを投資用として販売していました。
今回事故が発生したアパート以外でも、少なくとも八王子市の5棟と厚木市の1棟、計6棟で施工不良が見つかったと報道されています。また、同社の点検による報告書では、階段などの腐食や劣化が確認されたアパートは少なくとも57棟に及ぶと伝えられています。
当社でも同社施工アパートを2棟管理させていただいています。いずれも新築引渡し前に住宅診断士や建設業者など第三者機関による検査および是正工事が実行されている物件でしたが、事故報道を受け、直ちに当社と取引のある建設業者に2棟の確認を依頼しました。
幸い、緊急を要する劣化は見られないことが即日判明しましたが、いずれの物件のオーナーさまも、入居者の安全確保のために行う誠実で迅速な対応を最重要・最優先として動いてくださり、日をおかずして住宅診断士、建設業者、そして当社を交えた物件調査を行いました。
その結果、緊急性の高い劣化はないことが改めて確認されたものの、先の安心を担保する補強・改修工事をこのタイミングで実施することとなりました。該当物件入居者の皆さまにも顛末とともにその旨をお伝えし、ご理解・ご協力の上、さっそく工事が開始されています。
今回の一件を通じて、私たちは次の3つのことを大きく学びました。経験値として蓄積し、当通信をご覧のオーナーの皆さまにしっかり還元できるよう、業務に反映してまいります。
(1)「専門家でも、前例を知ったからこそ初めて気が付けることもある」
新築時に同一物件の調査を行った第三者機関が、今回初めて指摘した懸念箇所の中には、事故報道を経て見方が変わったからこそ気が付けたものが含まれていると感じました。
(2)「小さな経年変化にも注意を払い、その原因を把握する」
それゆえ、想像もしない施工不良や意図しない見落としが、どの物件にも当然に潜んでいるということを大前提として、小さな経年変化にも注意を払い、その原因を把握し、必要な場合は十分な対策を講じる重要性をスタッフ全員で再確認しました。
(3)「誠実で迅速な対応を最重要・最優先にする」
今回、不測の事態にも関わらず、該当物件オーナーさまは両名とも誠実かつ迅速な対応で終始貫いてくださっています。そのことが入居者の皆さんの安心につながっています。両オーナーさまに心から感謝です。
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