オーナー通信セミナー開催報告やオーナー様に役立つ情報、お届けします。
The Newsletter for Owners
2023年3月号
未来に向けた取り組み
梅の花がこぼれる、三寒四温のこの頃。
春先の様相です。
お元気にお過ごしでしょうか。
未来に向けた取り組み
池田 峰
1976年に淵野辺の自宅の軒先で創業した東郊住宅社は、今年2月で48年目に入りました。これも一重に、当通信をご覧の皆さまをはじめとした、携わってくださっている本当に多くの方々、お一人お一人のお力添えの賜物です。心からの感謝と御礼を申し上げます。
最近放送されていた大手不動産会社が50周年を謳うテレビCMを見て、「50周年って、すごいな~」と他人事のように感心していたのですが、自社も数年後にそのときを迎えることに気が付きました。私が3歳だった頃、淵野辺の自宅の庭先の小屋で始まった東郊住宅社が、まもなく50周年を迎えようとしているのです。
私が東郊住宅社に入社して10年が経過し、跡を継いで丸5年になろうとしています。そこで、これを機に今号から当通信の執筆を私一人に任せてもらうこととしました。東郊住宅社の50周年、そしてその先の未来に向けた取り組みの一つです。
ここ2~3年、お会いするオーナーの方々から「オーナー通信を毎月楽しみに読んでいるよ」、「先代と違った視点がおもしろくて良いね」などと言っていただく機会が多くありました。これからも、心を込めて書かせていただきます。変わらず応援いただけるとうれしいです。
創業以来、東郊住宅社にも時代とともに浮き沈みがありました。今も、長引くコロナの影響、不安定な世界情勢、物価高騰による相次ぐ値上げなどの不安要素に直面しながら、安定した賃貸経営を皆様に提供するために柔軟な舵取りが常に求められています。
そんな中、長い間お付き合いさせていただいていた創業80年を超える老舗の海苔問屋から事業譲渡、M&Aにより会社が吸収されるため、今後は今までと同じ商品が提供できなくなるとの知らせが入りました。つい先日の報道では、創業70年を超える老舗のパチンコメーカーが廃業を決めたと伝えられていました。
「企業存続率」という言葉があります。起業・開業した会社が廃業や倒産をせずに存続し生き残って経営を続けていける状態の確率値のことです。当然、年数が増えるにつれて、その数値は下がっていきます。「10年後の企業存続率は6%」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。だからと言って、年数が短いと危険、年数が長くなれば安泰というわけでもないことは、先述の海苔問屋やパチンコメーカーの例からもわかります。
では、どうすればこの先も自分たちが仕事を続けられるのかと考えてみると、やはり目前の一人のお客様に対して誠心誠意、誠実に向き合い続けることに尽きると思うのです。色気も派手さもない至極当然のこととなってしまいますが、それこそが私たちの職務。オーナーの皆様から大切な資産をお預かりし、その価値を最大限に高めることを生業とさせていただいている私たちがすべきことだと思うのです。
先日、その思いを再確認するような出来事がありました。
「話したいことがあるので、これからそちらに伺ってもいいですか?」
こう切り出す電話の主は、大学卒業に伴う退室を控えた入居者でした。私を指名した電話だったことから、一体どんな内容の「社長を出せ!」案件なのかと身構えていたところ…。
「東郊住宅社のおかげで初めての一人暮らしの4年間を安心して過ごせました。ありがとうございました。トーコーキッチンも便利に利用させていただきました。お忙しい時期に、お時間いただいてしまいすみませんでした。どうしても直接お礼を言いたかったんです」
予想外でした。不意打ちでした。そして、あまりにも真っ直ぐでした。突然投げかけられたその言葉に、思わず涙が出そうになってしまいました。10年前、私がこの業界に入った時は不動産屋がこういう感情を抱く仕事だなんて思ってもいませんでしたが、このような春の切なさを覚える場面には毎年遭遇しています。
その都度、思うのです。このような感情を抱けるのも、東郊住宅社が創業から積み上げた信頼と実績があってこそだと。そして、トーコーキッチンやゴーヨーキーキーといった入居者サービスに全力で打ち込めているのも、その信頼と実績の上に初めて成立しているのだと。
時間をかけて築き上げた信頼も、失うのは一瞬です。私たちは皆様からの信頼のもとに大切な仕事を引き継がせてもらっています。スタッフ一同、改めてそのことを肝に銘じ、目の前に居る一人ひとりの入居者の笑顔を獲得すべく、これからも丁寧に仕事を積み重ねることに邁進します。そのことこそが、未来への土台を築く唯一の方策だと思うからです。
繁忙期もいよいよ終盤に突入しました。
おかげさまで順調に進んでいます。
皆様のご期待に応えるべく、満室実現を目指します。
引き続き、お力添えの程よろしくお願い申し上げます。
最近の記事
- 2024年10月号
- 調査の数字と現場の体感
- 2024年9月号
- 未来に誇れる現在を
- 2024年8月号
- これからの社会に備えて
- 2024年7月号
- 目の前の一人に真摯に
- 2024年6月号
- 遺言書作成のススメ