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The Newsletter for Owners

2019年8月号

「需要と供給の変動」と「『当たり前』の推移」

梅雨明けと同時に真夏の到来です。
暑さに慣れていないため、体調を崩しやすいので大変です。
お元気にお過ごしでしょうか。


需要と供給の変動
池田 信


気温の変化と同様、社会も大きく変わっていっていると感じます。

道路がすいている、電車がすいている、社内の吊り広告がない、シャッターのおりたお店がある、大きな木がなくなっている、街路樹がなくなっている、雨戸のままの家がある、ガレージに車がない、子供の姿を見かけない、などと思ったことはありませんか。

アパート・マンション・駐車場の空きが増えています。需要より供給が多いのです。
一昔前なら考えられない変化です。キリンの首が長いのは、何百年、何千年もかかった進化の故です。高い所にある葉を食べるためです。くちばしが体より長い鳥がいます。細長い花の密を吸うためです。海の中で海藻や岩にみえる魚がいます。敵から身を守るためです。

自然界の変化に比べれば、社会の変化はずっと早いと思います。5年や10年で全く変わってしまいます。ただその中にいる私達は気が付かないのです。

需要と供給の関係がすっかり変わっているのですから、賃貸経営も変えていかなくては
なりません。顧客が何を望んでいて、何に我慢できないのか、顧客の要望に応えていかなければなりません。環境の変化に対応できる賃貸経営を目指していきましょう。オーナーの皆様にもご理解頂いて、良い賃貸経営を継続していきたいと思っています。

これからもよろしくお願い致します。


『当たり前』の推移
池田 峰


前日までの肌寒さから一転、急に暑くなると天気予報が一斉に伝えていた日のことでした。来社した20代男性が長袖のワイシャツを着ていました。ジャケットは着ていませんでした。

「暑くなりますよ、今日」「あっ、はい(笑)」
「……といいますか、すでに暑くないですか?」「あっ、はい(笑)」

天気予報の確認し忘れか、アイロン済みの長袖を消化するために着ているのだろうと思ってした質問に対するぼんやりとした回答が続いて、やっと気が付いたのです。彼はあえて長袖を着ていたのです。長袖を着る基準は「暑い/暑くない」ではなく、「格好良い/格好悪い」だったのです。半袖は格好悪く、長袖を腕まくりして着るのが格好良いのだそうです。

カルチャーショックでした。半袖を着るよりも腕まくりして長袖を着た方がスタイリッシュなのは同意ですが、「格好悪いから、半袖シャツは着ない」には思いが至りませんでした。

さっそく、中高生の子を持つ当社女性社員に聞いてみました。すると、男女問わず、夏服になっても半袖を着ないとの回答。Tシャツだと着るけれども、ワイシャツだと着ないというのです。さらに、小6の子を持つスタッフは、中学生の子を持つママ友から「来年、制服揃えるときは半袖を買わない方がいいよ。全然着ないから」とさえ言われているそうです。

インターネットで検索すると、「半袖のワイシャツは格好悪い」「長袖を腕まくりが格好良い」と伝えられているものが多数ありました。冒頭の20代男性が多感な時期であっただろう10年以上前に書かれた記事もありました。そして、それを知って街を見てみると……確かに。

ウォシュレットしか使ったことがない。ガス台を扱ったことがない。車を所有するメリットが思いつかない。それらの感覚とは異なる、もっと深い世代間断絶を感じた出来事でした。

そんな中、入居者さまより、先日要望したことへの当社対応は現代社会に潜む危険性を十分考慮していないのでは、とのご指摘をいただきました。大変ありがたく貴重なご意見でした。

当社の配慮不足でした。すぐにスタッフ全員で共有し、その他の要望への当社対応も慣例化してきてしまっているのではないかと改めて見直しました。入居者の皆さまに安心・安全で快適な日常を提供し続けるには、管理会社である当社の対応一つひとつが重要になります。

より丁寧に、より慎重に、より繊細に。
時代や社会の在り方、世代間における「当たり前」の違いも十分勘案した対応を徹底します。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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