オーナー通信セミナー開催報告やオーナー様に役立つ情報、お届けします。
The Newsletter for Owners
2018年4月号
「入居者が望むサービスの提供」と「2018年繁忙期の特徴」
街にも野山にも一斉に花が咲き、春爛漫の季節になりました。
お元気にお過ごしでしょうか。
入居者が望むサービスの提供
池田 信
いま当社は、退室と入居の多い時期を過ぎたところです。入居も退室も3月末から4月はじめの2週間に集中します。担当者は、明け渡しを終えると清掃・手入れ、引き渡しと短期間にやらなければなりません。新幹線の折り返し運転前の清掃と同じです。毎年のことで、担当者は上手くやっています。以前は時々問題が起きて慌てたり、謝ったりすることもあったのですが、今年は無事に通過しました。
今年の一番の特徴は、トーコーキッチンと当社の入居者支援サービスが認知され、来店と同時に部屋選び、決定、入居が円滑に進んだことです。他社との競合、家賃交渉などは、ほとんどありませんでした。そのため担当者の負担は少なく、多くの件数をこなすことができました。仕事を円滑に進める勝利の方程式が実現しています。
今年も地価公示が国土交通省からありました。全体に小幅な上昇とあります。低金利と景気回復のおかげです。
しかしよくみると、都心と郊外、都市部と地方、人気エリアとそれ以外で大きな差が生じています。相模原市でも鉄道駅周辺や、リニアの人気が先行する橋本周辺の上昇が目立ちます。逆に駅から離れた住宅地や山間部は値下がりしています。
人口減少と高齢化は着実に進んでいます。賃貸住宅の空きが増え、分譲マンションや住宅の売れ行きも悪化しています。ある日突然危機となって顕在化する時は遠くない気がします。
当社が属している賃貸住宅の仲介、管理の市場ではすでに何年も前から、極端な販売促進手段がとられています。家賃を免除するフリーレントやADと称する仲介業者に対する過剰支払いが一般化しています。それは全て貸主負担となっています。法律上も問題のある手法です。
当社は、フリーレントもADも一切行っておりません。しかし好成績をあげています。それは入居者が望んでいるサービスを提供しているからです。
これからもよろしくお願いします。
2018年繁忙期の特徴
池田 峰
2018年の繁忙期が終了しました。まずは、3月単月はもちろん、1~3月の成績が前年を大きく上回るものとなりましたこと、ご報告させていただきます。これもひとえに、日頃、皆さまから賜っておりますお力添えのおかげです。心より御礼申し上げます。
しかし、何とも言えない違和感が残る繁忙期でもありました。
【社内的な違和感】
来店客数および契約件数が増加していたのにも関わらず、当社スタッフ全員が抱いていた体感的な減少イメージ
↓
これは、トーコーキッチン効果により当社管理物件に限定した具体的な問い合わせや申込み、紹介およびリピーターの増加によって接客時間が短縮されたことが一因と思われます。
【市場的な違和感】
(1)淵野辺駅・古淵駅・矢部駅から徒歩10分以内の新築物件が4月に入っても満室未達
(2)当社管理の満室物件に隣接し、仕様が同等にも関わらず、未だ空室が続く物件の存在
(3)当社管理で即満室となった築20年物件の近隣に位置し、昨年まで満室続きだった人気物件が築10年を間近に控えた今年陥った苦戦
↓
これらは、物件の供給過多、物件づくりにおける「差別化」という名の同一化、賃料値下げによる入居促進などによって、一定(もしくは一定以上)の条件をクリアしているのにも関わらず、結果的にお客様から「選ばれにくい物件」を市場に大量放出し、蓄積させてしまったことが一因と思われます。
それでは、今年感じた違和感は一体何を意味しているのでしょうか?
賃貸住宅経営のどんな未来を黙示しているのでしょうか?
いよいよ物件を選ぶ方法、基準、意義が本格的に変わってきたのだと思います。「衣」「食」の分野同様に、「住」の分野でも売り手と買い手の市場バランスに変化が起こり、売り手のご都合主義は通用しなくなっている現状が顕著化したのだと思います。
お客様が物件を選ぶとき、単に物件の数字的価値だけで判断しているわけではありません。
その物件はどんな思いで造られているのか。きちんと手入れがされているか。共用部分や外構はきれいか。入居後の対応はしっかりしたものが期待できるか。それらも含めて総合的に判断し、適正な対価を見出すことができた物件を選びます。
これは、買い物をするとき、食事をするときなど、誰もが一消費者となった際に日常的に行っている思考過程です。それが当然のようにお部屋探しでも行われるようになったのです。
当社にとっては好成績ももちろん喜ばしいことだったのですが、入居者本位の管理姿勢を長年継続しているからこそ得られている信頼を実感でき、皆さまの大切なご資産と共に進むべき今後の方向性も再確認することができた、そんな収穫の多い繁忙期となりました。
今後ともお力添えの程、何卒よろしくお願い申し上げます。
最近の記事
- 2024年10月号
- 調査の数字と現場の体感
- 2024年9月号
- 未来に誇れる現在を
- 2024年8月号
- これからの社会に備えて
- 2024年7月号
- 目の前の一人に真摯に
- 2024年6月号
- 遺言書作成のススメ