オーナー通信セミナー開催報告やオーナー様に役立つ情報、お届けします。
The Newsletter for Owners
2009年9月号
大阪高等裁判所で更新料無効の判決がありました。
すっかり秋らしくなりました。 朝晩はさわやかな風を感じます。 しかし昔のように赤トンボは見かけません。 お元気にお過ごしのことと思います。 8月27日大阪高等裁判所で更新料無効の判決があり、賃貸管理業界に衝撃が走りました。賃貸管理会社の収益源の一つだからです。勿論オーナーにとっても一つの収益源です。 翌日の新聞全てで大きくとり上げられ周知の事実になりました。 昨年の1月に京都地方裁判所に借り主側から提訴された時は、更新料は有効とされ今回と逆の判決で貸し主側が勝訴しました。今回の逆転判決を受けて、貸し主側が控訴して最高裁判所で審理されることになりました。
今回の判決で注目されるのは、消費者契約法によって判断され消費者に不利な契約条項は無効とされたことです。 具体的には更新契約は合意されなければ、法定更新になるということを説明していないことが、事業者と消費者の情報量の差を利用した法律違反とのことです。消費者契約法による判断は、今回の更新料以外にも原状回復費用、敷金返却裁判でも使われています。旧来の商習慣に依存した契約では、もう借り主側の同意も裁判所の理解も得られないということです。 しかし今回の裁判での更新料は、当社に管理委託して頂いているオーナーの皆様には全く関係ありません。何故なら当社は最初からオーナーの皆様に更新料をお渡ししていないからです。 現在当社の賃貸借の契約方法は、住居や事務所では定期借家契約を使っていますので、契約期間終了後引き続き賃貸借を続ける時は、再契約をすることになっています。 定期借家契約には法定更新はありませんので、再契約をしないでいますと契約がない状態になってしまいます。従って再契約は必要なのですが、その時当社は借り主から半ヶ月分の再契約時仲介手数料を頂いています。定期借家契約では再契約も全く新しい契約として扱われますので、宅地建物取引業法上は1ヶ月の仲介手数料をもらっても良いことになっています。しかし、新規の契約とは労力も成立に要する時間も少なくてすむので半分にしています。
駐車場の契約は定期契約がありませんので、契約を続けていく時は昔ながらの更新契約になります。その時、当社では更新料ではなく更新時労務報酬として半ヶ月分を頂いています。この更新時労務報酬の根拠は次のように考えています。第一に新しい賃貸借契約を結んで、新しい賃貸借をはじめる手続きをする報酬、第二に契約の結ばれている期間賃貸借を円滑に維持していくための費用と、その責任に対する報酬としてです。貸し主の皆様からは管理料を頂いていますが、借り主側からは仲介手数料や更新時労務報酬を頂いています。アメリカでは貸し主が全額負担、売買でも売り主全面負担です。 今後、社会の変化や法律の改変で変わっていく可能性もあります。当社では、状況の変化に応じて柔軟に対処していくつもりです。 不況が続いています。6月から一段と悪くなったと感じています。空室率も急上昇しています。総務省の統計でも住宅数が世帯数を13%上回っていると発表されています。 従ってこれからは空室が沢山あることを前提に経営していかなければなりません。それは、まわりは空室だらけでも当社管理物件は満室という状況をつくっていくことです。そのためには次の三つのことが大切です。 第一に、入居者に選ばれる部屋をつくっていくことです。公平で透明な契約内容、家賃、初期費用、内装、設備、防犯、清掃など諸条件をととのえて良い部屋をつくっていくことです。 第二に当社営業エリアをしぼりエリア内では圧倒的な存在になることです。エリア内で部屋探しをするなら一度は当社を訪門するというようになることです。 第三に、現在の入居者に永く住んでもらえるよう入居者の要望に100%応えていくことです。例えば、独身の人がワンルームで20年住んでくれていることがあります。 オーナーの皆様の御協力も頂きながら努力して、満室経営をつくりましょう。
次回オーナーセミナーを11月7日(土)に計画しています。次回のメイン講師は北村弁護士にお願いしました。日頃法律問題で相談したいことがあれば是非この機会を御利用下さい。事前に御相談下されば当日お答え頂きます。当日でもかまいません。当社としては相続争い、貸主責任、よくある賃貸借の争いなどを質問したいと思っています。 サブセミナーでは櫻内工務店さんから地下気温を生かした省エネルギー建物の説明、当社からはお客様要望の最近の具体例を話しさせて頂きます。 ご予定をあけて頂き、是非御参加下さい。 今後とも宜しくお願い致します。
最近の記事
- 2024年12月号
- 新しい一年に向けて
- 2024年11月号
- 変化に順応する姿勢と勇気
- 2024年10月号
- 調査の数字と現場の体感
- 2024年9月号
- 未来に誇れる現在を
- 2024年8月号
- これからの社会に備えて